止まった時を動かそう

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「兄ちゃんなんだって?」 「これから飛行機乗るから迎えにきてって」 「随分急だな!でも兄ちゃんらしい」 はははっと昌也が笑う。 「そんな急に来る人だっけ?」 昌也の言葉に首をかしげる。 「違うって!亜実が心配でくるんだろ。そーゆとこ変わってねぇよ」 「そうそう、春樹はいつまでも亜実が大事だよね」 「……そっか」 芸能人になって、遠くなってしまったと思っていた春樹だけど、彼はずっと彼のままだった。 いつでもあたしのことを考えてくれてる大切な人。 「俺らも一緒に迎えにいこうぜー」 「そうだねー」 「じゃあ、家に車とりにいくからいい?」 「おう!」 3人でそのまま、あたしの家へと向かう。 雄大の時も思ったけど、高校時代に仲良くしていた人と自分の車に乗るって変な感じがする。 でも、またこうして、香莉菜と昌也と笑い合える時が来て、よかった。 香莉菜はかけがえないのない、あたしの親友だから。
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