蜃気楼1

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早速水中メガネを付け海の中を眺めると色とりどりの魚が泳いでおりその美しさに目を見張るばかりでした。 彼は海にもぐるのが得意らしく30分くらいで沢山のサザエなどの貝を採り 海辺の岩でカマドを作り火をおこしその上にサザエなどの貝類を乗せました。 しばらくするとおいしい臭いがしてきたのでカンビールを取り出し 乾杯しよう 現地調達も楽しいもんだろうとニコニコ笑っていました。 引っ込み思案のわたしは彼の明るさに心が洗われる気がして彼と逢うのが何よりの楽しみになったのです。 私の誕生日の事です彼が新木場の駅に6時に待ち合わせしようと言ったので 何もない場所で誕生日のお祝いするのと聞くと ま・いいから、いいからと訳を教えてくれません 約束の時間に駅の改札で待っていると 彼がこっちだよと 駅前からタクシーに乗り海のほうへ タクシーを降りるとそこにはヘリコプターが 二人で乗り込むと スーッと離陸しました 丁度夕暮れでヘリは都心へ 上空から下を見るとまるで宝石がちりばめたみたいの素晴らしい夜景が見えてきた 彼はこれが誕生日のプレゼントだよと ニコニコ笑っています 私はまるでシンデレラのような気持ちになり彼の手を握りしめたのです。
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