水色の恋1

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日本酒はチビリ、チピリ飲んだほうがいいよと言うので、あら高知の男は土佐のいごっそ、と言っておおざけのみが多いんでしょうと言うと、 はははは、僕は高知の生まれではなく岡山だよと笑ったので、そうだった、岡山はチビリ、チビリなんだとうなずくと、幸子が二人とも息がピッタリだね、 ゆうこ、このめぐり合わせはお大師様のおかげだよと幸子が言ったのです、 大将がおまちどうさまと大皿を出すと、タイの刺身がきれいに並んでいます、幸子がいただきますと箸をつけ一口食べると、おいしい、 昨日たべたタイよりもおいしいよ、ゆうこも早く食べてと言ったので、食べるとこりこりしていて本当においしいので、二人で、おいしい、 おいしいと食べるのに夢中になったのです、 しばらく酒を飲みながら歓談していると、幸子の肩をぽおんと男の人がたたき、幸子なんでここにいるのと話かけたのです、振り返ると 幸子の彼氏がきょとんとした顔で立っていたのです、さらに早川おまえがなんでこの二人を知っているのと聞くので、 彼が今日のいきさつを話し、先輩はどうしてと尋ねると、今日で出張が終わり明日本社へ帰るので、所長がさそってくれたんだよ、 奥の座敷で会社の連中と飲んでいるよと話したのです、ゆうこちゃんとおへんろすると言ってたので、ひょっとして会えるかもと思っていたんだよ、     
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