水色の恋1

8/257
前へ
/257ページ
次へ
幸子はここにはないけど土佐の桂浜にあるよ、そこも行くから楽しみにしていてと答え、ゆうこも段々、れき女になって来たねと言うので、れき女 て、と聞くと、はははは歴史にはまった女の事で最近のはやり言葉だよと笑ったのです、そういえば、おへんろ、に行くのは年寄りばかりと思って いたのに、意外と若い女ずれが多いのにびっくりしたのです、 遊歩道を歩き海岸へ降りて行くと何人かの釣り人が魚を釣っていたので、つりかごの中を見るとなにも入っていません、一人の若い男に何が釣れる んですかと聞くと、タイだよ、もっとも今は潮目が悪いので全然あたりがないけどと答え、つりが好きなんですかと聞くので、少々やるんですよ と言うと、それではこの竿を貸してあげますからやってみてはと言ったのです、 いえ次の所に行かなければと断ると、幸子がまだ時間あるからやってみなさいと言うので、ではお言葉にあまえて拝借しますと答え、竿を受け取り 餌をつけスナップを利かし竿を振ると、なかなかやりますね、素人でとてもそういう投げ方は、出来ないよ、と感心した顔で見ていたのです、 すぐに浮きがす~と沈み、ゆうこ引いているよと幸子が言うので、タイが遊んでいるのよ、もうひと引きと待っていると二度目に浮きが沈んだので     
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加