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~麻有side~
結生とのデートは延期に延期を重ね、『高屋』本店で購入した服を着るチャンスを逃し続けた。
「ゴメンね・・・麻有ちゃん」
「でも、結生怒らないかな?」
私は蘭さんの頼みで、結生の会社主催の『お見合いパーティ』のサクラとして参加した。
服は着る機会がなかった『高屋』本店のお嬢様風スーツ。
メイクは蘭さん、女子高生には見えないように仕上げてくれた。
東京湾を白いクルーザーで周回するらしく、食事はバイキング形式。
「参加している男性は皆年収1000万以上だから・・・」
「そうなんですか・・・」
サクラにしては、蘭さん気合が入っている。
「蘭さん、このパーティで伴侶を見つけるつもりですか??」
「・・・そうよ…克敏がどうしてここに居るの??」
蘭さんは黒いスーツの男性を見て、ハッと顔色を変えた。
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