第七話 夢修行

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 …メリスンさんはあなたを55回も殺したの」 胸が苦しく… でも、背中が温かく… 雛様の手じゃなかった… 「姉ちゃん、ストレートだね」 覇王様の手だったって、すっごくうれしかったのっ! でも… ―― お姉さん? 雛様が、覇王様の? ―― 「この方がいいの。  記憶は簡単には戻らないけど、  正確な情報を知っておくことこそ修行…  先延ばしにしても、何もいい事なんてないわよ」 雛様が仰ると、覇王様はすっごく困った顔をされていたの。 ―― 覇王様が言いくるめられちゃったっ!! ―― やっぱり、すごい人なんだって、やっぱりそんけー… 「覇王君も優しすぎるわ。  ルオウ君のこと、言ってられないわよ」 「…はい、できれば厳しくしたいのですが…」 「そんなんだからみんなが甘えて言い寄ってくるんじゃない…  私が蹴散らしてあげましょうか?」 ―― うっ… お姉さん怖いっ!    私も、そうしちゃおうって… ―― 今のこの雰囲気に、美人のエラルレラがついに我慢できなくなって泣き出したの… 覇王様、さらにすっごく困った顔をされていたわ… 雛様は私に顔を近づけられたの。 「悪魔のリーダーの命令は絶対。  だけどね、56回目は来なかった…  メリスンさん、もう耐え切れなかったのね。     
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