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「メリスン、このままの方がいいよぉー…
美人のお母さん、だぁーいすきっ!!」
私はメリスンに飛びついたわっ!!
「…お嬢様と呼べといっただろっがぁー…」
男言葉だったけど、その声は涙に震えていたの…
そして、私をしっかりと抱きしめてくれたわ。
その両腕は、覇王様の手のぬくもりよりも暖かだったの…
… … … … …
昨日からの日課で、今日は覇王様の世界にいるカノンちゃんだけをお迎えにいくの。
記憶の件をゼン師匠に話すと、「それはよかった」って、笑顔で言ってくださっただけだったの。
どうやら今の私の生活を変えなくていいってことのようなの…
私はカノンちゃんの魂に飛び込んだの。
―― あっ! 知らない方がこんなにたくさんっ!! ――
でも、早百合ちゃんがいたので、カノンちゃんと早百合ちゃんにまずは朝のあいさつをしたの。
すると男性がふたり、一目散に私に向かって走ってこられたの。
「君がセイラちゃんかい?
あ、オレ、結城の悪友の新城って言うんだ。
よろしくっ!!
こっちは藤原」
「新城君。
セイラさんはお仕事中ですよ。
お話があるのなら不縛の仏陀を通した方がいいわ」
―― あ、あれ? どうして悦子様… ――
でも、雰囲気が違う…
別人?
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