第八話 結城覇王

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でも、みんなよろこんでくれたので、私はすっごく満足だったのっ!! … … … … … 「うっ!  ウッソォ―――ッ!!」 ゼン師匠たちは笑ってはいけないと思っていてくれたようだけど、笑っていたわ… 「たったあれだけで?  まあ、あの巨体ならね、そうなって当たり前かも…」 私、男の子のように筋肉隆々になっていたことを、お店の鏡を見て気づいたの… ゼン師匠が満面の笑みで私を見ているわ… 「その体なら龍に変身する必要もないな。  そういえば、あの子…  キョウジ君の友達の…」 「コウタロー君っ!!  まさに、身体つきだけはそっくりになっちゃったわっ!!」 私、もうあんまり鍛えないようにしようって、今日ほど思ったことはないわ… 「セイラ、装着」 グラレスが言ったの。 ―― どーしてよ… ―― って思ってグラレスをにらんだけどなぜだか笑っていたの。 「装着っ!!!!」 ヤケクソ気味に言ったわ… 「おおー…」 店中の人が一斉に声を上げたの。 ―― なになにっ! さらに変っ?! ―― 私はすぐに鏡を見たの。 そこには私じゃない私がいたの… 「大人になったようだね。  早百合様に負けないほどのナイスプロポーションだ」 グレラスはほめてくれたけど、なぜだかグーで顔を殴っていたわ… 「装着解除っ!!」 元の筋肉隆々の私…     
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