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でも悪魔たちは現状を満足していないのか、大いに鍛えて大いに食べたの。
この効果なのか、村にいる悪魔たちに、悪意が沸くことはなかったの。
あとは20人ほど残っている、エラルレラ山に封印している悪魔だけど、そこそこ強いらしくて、魂まんじゅうでは言うことを聞いてくれないみたいなの。
「セイラ、美人悪魔たちと戦ってみないか?」
ゼン師匠は私に笑顔でおっしゃってくださったの。
そして、今のお話には関係ないんだけど、ふとにあることに気づいたの。
「あのー…
最近、フルネームで…」
私が言うとゼン師匠たちは笑ったの。
名前を呼ぶこと自体に意味があったんだって、やっと理解できたわっ!!
「ジゴクにもぐるようになって必要なくなった。
…セイラやセイルをフルネームで呼んでいたのは、
修行の支援だ。
フルネームで呼ぶことで、ほんの少しだが精神力が上がるんだよ。
だがそれもほとんど意味がなくなったから、
名前だけで呼ぶことに変えた。
決して、
セイラ・センタルア・ランダと呼ぶ事をめんどくさがったわけじゃないぞ」
―― そうだった… その頃だった… ――
私、思い出したわ…
「…でも、少しくらいはめんどくさいって思われていたんじゃ…」
「はは、バレた…
ぐはぁ―――っ!!」
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