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―― 抱きしめるなんてありえないっ!! ――
私はもうすでに逃げていたわ…
フローラはとんでもない恐れを放ちながら、みんなを均等に追い掛け回し始めたの。
デッダとガロンはもうすでに倒れこんで眼を回していたの…
グレラスはフローラ抱きしめようと必死だったけど、かなり腰が引けてたわ…
フローラが近づくと号泣しながらも受け止めようとするんだけど、すぐに頭を抱え込んじゃう…
―― その気持ち… すっごくわかるわぁー… ――
私はちょっと余裕で結界の中。
でもフローラが体当たりして壊しちゃったのっ!!
さらに恐怖心が増したわっ!!
結局は誰もフローラを抱き締められずに修行を終わったわ…
「ほうっ!
セイラ、さらに強そうだなっ!!」
フローラが大声で話しかけた悪魔のメリスンに飛びついたのっ!!
メリスンはなんとも思っていないのか、フローラを両腕に抱いたまま店に帰っていったわ…
「…どう、なってんのよ…」
私は答えを求めてはいなかった…
ただただ驚いていただけ…
「近い家族…
それしかわからん…」
ゼンは息を切らしていて、地面に寝転んだままで言ったの。
「だがあの恐れの正体は何だ…」
ゼンの疑問には、私では答えられなかったわ…
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