第十一話 セイラの新たな恋 

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―― 抱きしめるなんてありえないっ!! ―― 私はもうすでに逃げていたわ… フローラはとんでもない恐れを放ちながら、みんなを均等に追い掛け回し始めたの。 デッダとガロンはもうすでに倒れこんで眼を回していたの… グレラスはフローラ抱きしめようと必死だったけど、かなり腰が引けてたわ… フローラが近づくと号泣しながらも受け止めようとするんだけど、すぐに頭を抱え込んじゃう… ―― その気持ち… すっごくわかるわぁー… ―― 私はちょっと余裕で結界の中。 でもフローラが体当たりして壊しちゃったのっ!! さらに恐怖心が増したわっ!! 結局は誰もフローラを抱き締められずに修行を終わったわ… 「ほうっ!  セイラ、さらに強そうだなっ!!」 フローラが大声で話しかけた悪魔のメリスンに飛びついたのっ!! メリスンはなんとも思っていないのか、フローラを両腕に抱いたまま店に帰っていったわ… 「…どう、なってんのよ…」 私は答えを求めてはいなかった… ただただ驚いていただけ… 「近い家族…  それしかわからん…」 ゼンは息を切らしていて、地面に寝転んだままで言ったの。 「だがあの恐れの正体は何だ…」 ゼンの疑問には、私では答えられなかったわ…     
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