第十一話 セイラの新たな恋 

32/41
前へ
/2047ページ
次へ
息切れしたまま店に戻ると、セイラは満面の笑みでメリスンと話をしていたの。 「…ふたり目…」って聞こえたわ… 「何がふたり目なのよ…」 私が言うと、セイラは満面の笑みを浮かべて、「フローラを抱きしめた人よっ!」って答えてくれたわ。 「そもそもメリスンがよくわからないわよ。  どーして普通に抱きしめられるのよ。  誰だって怖いはずよ」 メリスンは私を見て微笑んだの。 「神の私ではきっと無理よ。  悪魔の私には、虚勢っていうものがあるから。  セイラに接するたびに、それだけは大きくなったみたいね。  私だってほっとしてるんだから…」 メリスンはセイラに笑みを向けた。 「謎のひとつ、解決だな。  …向こうの世界で仕入れてきたハンバーガーをくれ」 グレラスがメリスンに注文すると、セイラが大声で笑い始めたの。 面白いことを言ったわけじゃないんだけど… 「あのね、佐藤俊介様もね、ハンバーガーが大好きで、  ハンバーガーショップを食べ尽くすそうよっ!!」 なるほどって思って、私も少し笑ったの。 「そうか…  さすがオレの父ちゃんだな。  会いに行ったら、ハンバーガーを肴に会話を楽しもうか」 「それに今まで女性には縁がなかったみたいでね、  青空ちゃんの彼氏なの。     
/2047ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加