第十一話 セイラの新たな恋 

34/41

56人が本棚に入れています
本棚に追加
/2047ページ
ゼンが言うと、セイラはそれほど気にしていないのか、ゼンに一瞬だけ笑みを向けて、できあがったハンバーガーをガロンに持って行ったの。 「一瞬で寝てたんじゃ、まだまだよねっ!!  デッダ、あんたもよ!  私のお友達なんだから、もっともっと強くなって欲しいわっ!!」 デッダは今はコップに入れた牛乳を飲んでいて、 肩をすぼめて、「了解しました…」と小さな声で言ったの。 「まさか、野生のフローラが怖いなんてこと…」 「それはありませぬ!  決してそのようなことはありませぬっ!!」 よほど面白かったのか、セイラはデッダの背中を叩いて大笑いしていたわ。 「だがなセイラ。  なぜあれほどの畏れが出るんだ?  凶暴なことはわかるが、実際は凶暴ではない。  オレたちがフローラの凶暴さを知っていて震え上がるのならわかる。  それは記憶にないんだが…  野生のフローラも凶暴には違いないが、  セイラほど強いわけではない」 セイラは少し考えてから、「どうなの、セイル」と言って全部丸投げしたわ… 「それなんだけどね…  あまり言いたくないんだけどね…」 セイルは話すことを拒みたいようだ。 「だったらいいわ。  ゼン、できれば知らない方がいいみたいよ。  …私、なんとなく見当ついちゃったけど、聞きたい?」 セイルはかなり困った顔をセイラに見せてから、ゼンと私を交互に見た。     
/2047ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加