第十一話 セイラの新たな恋 

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「いや、オレもおぼろげながらわかったかもな…  セイラの魂がどのようにして生まれたのか…」 ゼンは静かに言ったの。 ―― 魂は覇王様が… ―― と思ったところで私も気づいた。 覇王様の荒ぶる気持ちが、木造のベティーを彫った。 その荒ぶる気持ちごと魂に反映された。 ―― 覇王様、何か気に入らないことが… ―― 「私もわかったわ…  覇王様もお若い時代があったってことよね…」 私が言うとゼンはうなづいたんだけど、セイラは私の言った意味がよくわからなかったようだけど、すぐに気づいたみたい。 「何が気に入らなかったのかしら…」 セイラが言うと、私たちは下を向いて目を閉じて、頭を振った。 「木造のでき栄えじゃないことは確かだろうな。  うまくできたから魂がわいたはずだ。  となると、誰かを憎む…  いや、妬む気持ち、だろうか…  ベティー様が大好きだったのは、  覇王様ではなかった、とか…」 「もうほとんど正解だけど、言っちゃう?」 私たちはみんな息を合わせて、セイルに向かって首を縦に振ったの。 「ベティー様はね、セイレス様が大好きだったんだよ。  セイント様のことはそうでもなかったみたい。  セイント様はベティー様をネコっかわいがりしたそうなんだけど、     
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