第十一話 セイラの新たな恋 

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「セイラをもうこの世界には来させません。  それでよろしいですね、覇王様」 ゼンが胸を張って威厳をもって言ったの。 「はい、そうしていただいた方がよろしいかと。  …麗子、聞いての通りだ。  麗子とセイラのつながりは切れた。  おまえのわがままで、大切な人材を失くしたようなものだ」 麗子様はそれでも覇王様をにらみつけていたの。 ―― なんという執念っ!! ―― 麗子様に恐ろしい中にも美しいものが見え隠れしていたの。 「おまえに勝たないと、オレはこの先がないんだ…  今のおまえは腑抜けだ、覇王…  腑抜けではないフローラに勝つことがオレの生きがいとなったんだ…」 途轍もない恐ろしい畏れが、さらにこの部屋を包み込んだの。 覇王様が、麗子様にとんでもない厚さの結界を張られたの。 麗子様は必死で抵抗されたけど、結界が壊れることはなかったの… 「その中でしばらく反省しろ。  瑠至緒、麗子の仏を解けっ!!」 「それはできかねます。  この騒動を丸く修めてくださいませ、不縛の仏陀」 「人を殺そうとしている者を仏として放っておくのかっ!!  おまえはそれでも仏陀かっ!!!!」 覇王様の猛烈な畏れが地球の仏陀様を襲ったの。 地球の仏陀様は昏倒されたの。 ―― これが、仏の怒り… ――     
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