第十二話 仏ブライ

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私とちあきちゃんはすっかりうちとけて、ちあきちゃんは天使さんの私の手を握ったまま放さなかったの。 恭司君も合流して、四人で食事にすることにしたの。 ちあきちゃんの家に招待されたんだけどすんごいお屋敷… メリスンのお店ほどある大きなリビングに通されて、私、すぐに気づいたの。 『コンコン』 私、思わず壁をノックしちゃったわっ!! 一輝様は驚いた顔を私に向けて、すぐに笑顔になられたの。 「さすがだ。  誰にもわからないはずだったんだが…」 「はい、魂が見えたのです」 すると、壁が回転して、顔見知りの西條様が出てこられたの。 「警備、ご苦労様です。  そして、メイド様におひとり…」 私が視線を向けると、そのメイドさんが頭を下げてくださったの。 ―― どことなくちあきちゃんに… ―― 「ちあきの姉のさおりだ」 ―― ちあきちゃんとは違って、武闘派… ―― 私は丁寧にお辞儀をしたの。 さおり様は目礼に近い会釈で済まされたの。 隙がないって感じがすごい… 「食事の前に、少々やってもらいたいことがあるんだよ」 一輝様は笑顔で私に言ってくださったの。 「先日は大チャンスを逃してしまった。  そして次はいつになるのかわからない。  …フローラに変身してもらいたいんだよ」 一樹様がいうと、恭司君の背筋が一気に伸びて、驚愕の顔になったわっ!     
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