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私、ちあきちゃんに手を放してもらって、一輝様に少しだけ近づいて、フローラに変身したの。
すると、ちょっとした惨状になったわ…
ちあきちゃんは真っ先に恭司君の後ろに隠れて大声で泣き始めたの。
さおり様は今にも倒れそうだったけど、すばやく西條様がそばに寄り添われていたけど、その西條様も朦朧としてらしたの。
ほかのメイドさんたちは落ち着かない様子でみんな固まって、私から20メートルは離れて行ったの。
「なるほど…
なるほど…」
その中でおひとりだけ、一輝様だけが異常なまでに冷静だったの。
私が信じられないほどに…
一輝様は私をつぶさに観察してから、少し顔を左に向けて西條様を見られたの。
そしてあぐらを組んで私の前に座ってから、おもむろに私の頭を触ろうとしたの。
その手が伸びてゆっくりと触れられて、すっごくいい気分だったんだけど、一輝様は何か気に入らないようですぐに手を放したわ。
今度はちあきちゃんと恭司君を見たの。
しばらくふたりを見てから、躊躇なく私を抱き上げてくださったのっ!!
私、まさに宙に浮いて、そして、天にも昇る気分だったわっ!
私、猛烈に甘えちゃったのっ!!
『ニャーゴニャーゴ』
―― …ああ、今までにない私の声、甘いわ… ――
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