第十二話 仏ブライ

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「この建物はオレたちが造らせてもらった。  セイラにいい訓練をさせてもらったからなっ!!」 「また機会があれば…  今でも…」 グラン様は両手のひらを広げて拒絶の意を現されたわ… さすがにここでやっちゃダメだもの… グラン様とお別れすると、女性の浴室で騒ぎが起こっていたの。 私、服を脱いですぐに浴室に入ったわ。 「ベティー様っ!  トラになっちゃダメですっ!  フローラもダメッ!!」 トラのベティー様は上目使いで私を見て、人間に戻られたわ… 「温泉には動物が欠かせないだろうが…」 ―― あいかわらず豪胆だわ… ―― 「ここの人たちは猛獣が怖いからダメですっ!」 「…まあ、師匠がそう言うのなら…」 私はみんなに謝ったけど、私の知り合いだと聞いてベティー様にも寄り添われたの。 「せっかく強くなったのにみんな逃げるばかりだっ!」 「強い者は強さをひけらかさない!  ベティー様は動物だけど、  ひとりくらいそういった動物がいてもいいんじゃないの?」 「…う…  覇王は何も言わないのに…」 「覇王様はそのままでいいって思われているのね…  だったら覇王様の意思に沿うようにしてください」 「…師匠も、覇王覇王だな…」 ベティー様は面白くないようでそっぽを向かれたわ。     
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