第十二話 仏ブライ

20/45
前へ
/2047ページ
次へ
私が言うと、先生も超高速でうなづいておられたわ… 私は窓から外に飛び出して、一番高い建物の上まで上昇したの。 ここだったら障害物が何もないので何も壊さなくて済むの。 『ハッ!!』と軽く気合を入れて、私の体がみるみる大きくなったの。 何もしなくても宙に浮けるけど、羽ばたいた方がいいと思ってそよ風程度に羽ばたいたわ。 地上を見ると、大勢の人たちが私に指を挿していたの。 私はその人たちに向かって、そよ風を送ったわ! 「…うわあっ! すっごぉーいっ!!」 どこからか声がしたの。 ―― 一体どこから… ―― もう声は聞こえなくて、私はいつもの私に戻ったの。 「せんせぇー!  もういいかなぁーっ!!」 私が言うと、教室の窓から手を振ってくださったわ。 先生の下半身が妙にぎこちなかったのは、私の気のせいかしら? 「今日は私につきあって欲しいんだけど…  あ、それほど時間はかからないと思うの。  源次郎様に会うだけだから」 私が言うと、みんなも賛成してくれたので、源次郎様に念話を送ってから魂に飛び込んだの。 「おいおいっ!  人さらいか?!」 源次郎様は大声で笑ったわ。 早速カノンちゃんがダフィーちゃんを紹介したの。 そして、私の本題… 「源次郎様、私のフローラを抱きしめてくださいませんか?」     
/2047ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加