第十二話 仏ブライ

26/45
前へ
/2047ページ
次へ
―― 水 ―― 私、水で体を造ったの! ―― ああ、これ、すっごくいいっ!! ―― 周りは私を見てかなり驚いていたけどね。 ~ ~ ~ ~ ~ もうとんでもない大むかし… 一羽の鳥がいました。 体はそれほど大きくなくて、大きな鳥や獣が怖いけど、その飛ぶ速さはどんな生き物にも負けませんでした。 ある日鳥は、ひとりの人間と肌を触れ合うことになりました。 人間は道の真ん中で倒れていたのです。 この地はほとんどが土だけの大地。 ところどころで砂漠化も始まっています。 このままだと、この人間は死んでしまいます。 鳥は、近くの小さな小さな湖から、近くに落ちていた木の皮を使って水を運びました。 ほんのわずかですが、人間の口に水を滴らせたのです。 3回ほど運ぶと、人間は目をさましました。 「…おっと、あぶないあぶない…」 人間はゆっくりと立ち上がりました。 そして、小さな鳥が飛んできてこの人間に水をかけて、近くの低い木の枝に止まりました。 「そうか、おまえが…  これはありがたいことだ。  何か礼をしなければ…」 人間は鳥に大きくなる術をかけました。 鳥は驚いて、すぐに大空に羽ばたきました。 大きくなったのに、飛ぶ速さは今までと変わりませんでした。     
/2047ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加