第二十一話 大勇者物語 

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セルアの前世での大悪が許されたので、復帰第一回目として強い母の元に生まれたいと、その魂は力強く願っていたのです。 「あははは…」 セルアは本当に悪魔らしからぬ声で笑って、アンドレアヌスに困った顔をさせています。 … … … … … 「…ううっ…  我慢の限界っ!!」 私、また筆を止めてしまったわ… 「お母さんたち、同性愛者?!」 私は身を乗り出してセイルを見たの。 「セルアは願いの子だもん…  悪魔だし、こういうのって普通だよ」 セイルは少し白けた顔をして私に言ったの。 「…普通のこと…  私、カノンちゃんと…  …いたいいたいっ!!  ごめんなさいごめんなさいっ!!」 ―― 私、ステキな想像をしたんだけど、私は同性愛に走ってはいけないわ… ―― 私、大いに反省したわ… 「セイラはカノン様が大好きだからな。  だけど、恋愛感情はいけないこと。  だが、それはセイラ自身のことだろうか?  それともセイルに影響があるからだろうか…」 ゼンがかなりの問題定義を投げかけてくれたの… 『ボクは特に気にしないよ。  それに、その時はきちんと眠っているからね。  だから、仏様としては許されない行為だってボクは思うね』 「…う、セイル…  ありがとう、よくわかったわ…」 「セイル、出てきてくれっ!!」 ゼンが珍しく真顔で叫んだけど、セイルはすぐに寝ちゃったの。     
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