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第二十九話 大人になるための積み重ね
私は笑みのランちゃんと手をつないで、空中訓練場に行ったの。
そしてセイルも私の隣にいる。
カノンちゃんもなんとか落ちついていて、セイルと手をつないでいるの。
まずは第一段階として、魂が宿ったセイルを見たいって思っているようなの。
破天荒君はそれほどに変わったって思わなかったけど、今頃になって覇王さんの魅力が満載になっちゃったって感じたわ…
中央サーバーとしての法律のようなものを作り始めたから。
もし破天荒君が機械だけの存在だったら誰も信用しないと思う。
逆に怖いって思っちゃう。
人間が機械に牛耳られたって…
だけど、騒ぎにならないように、さらにはコミュニケーションを深められるように仕向けられているの。
便利になり過ぎると、人は怠けちゃうから。
この便利さが平和でなくなる第一歩だから…
私たちは空中訓練場のほぼ中央に来たの。
ランちゃんは手をひょいひょいと動かして何かをつまんでいるポーズを取っている。
「迷っちゃうぅー…」
セイルはカノンちゃんとつないだ手を放してランちゃんの肩に触れたの。
カノンちゃん、少し怒っているように見えちゃった。
「はあ…
ボクもだよぉー…
だけど、もう少しだけでも秀でた魂があれば…」
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