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第十九話 子供のままでいる方法
簡単に勇者になってしまった私は、ミラクル君のレクチャーを受けてその能力のセルフチェックを始めたの。
勇者能力の大分は5、そして術の数は58もあるの。
「まずはぜーんぶ確認してよ!
それがこれからの修行だよっ!」
これってミラクル君の言った通りなの。
そして、不得意なものから順に修行に取りかかるの。
勇者はできれば満遍なく能力が使えた方がいいって思っているから。
確認作業という修練を積んでいると、大勢のギャラリーが少し遠くから私たちを見ていたの。
邪魔をしてはいけないという優しい気持ちが流れてきたので気づいたの。
だけど、早く私と話しをしたいといった欲も見え隠れしていたの。
「欲を持った人は解散っ!!」
ミラクル君が気を利かせてくれて少し怒ったように大声で言ってくれたの。
するとあわてて大勢の人たちが黒い扉をくぐって行ったわ。
このミリアム星に残ったのはたったふたりだった。
覇王様と住良木一輝様。
どちらかと言えば、私からお話をしたいほどだったわ!
だけど今は、目の前の修行に専念したの。
―― カビカがするように… ――
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