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なんてことだ。
こんな指では格好がつかない。
七氏は悩んだ。しかし手っ取り早い方法を思い出した。
「新しい指を生やせばいい。一瞬で切り落とせば痛みも少ない。俺の体は最強だからな」
七氏は裁断機のある研究者のもとに電話したが、夜遅いため彼は出なかった。
「ちっ、なにしてやがる……明日は大事な日なんだ。彼女とお揃いの指輪をつけるのにこの指はふさわしくない」
「仕方ない」
七氏は工具部屋からいつも使っている電動カッターを持ってくると、躊躇無く自分の指を切り落とした。
痛みをこらえるとすぐに指が生えてきた。
七氏は切り落とした指を持ち上げる。
「指はもう売ったし、これはいらないな」
七氏は指をゴミ箱に捨て、ベッドに入った。
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