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桜木は、すぐに何かを感じ取ったらしい。
ふたりは、世田谷署御用達の個室のある料理屋へ入った。
個室で注文をすませ、一息つく間もなく、桜木が
「沢泉管理官からの情報ですか?」
と、口を開いた。
「あら、どうして?」
「捜一の本部、沢泉さんが担当管理官なんでしょう? まあ 後は なんとなく?」
どうやら、ゆかりと沢泉の関係について 情報が回っているらしい。
「それなら 話が早いわ」
ゆかりは、早速 沢泉の疑問を伝えた。
「それらがはっきりするまでは、決して逮捕してはならない..と言ってたわ」
「なるほど..経済環境と保険か。さすが専門家ですね。確かに殺人事件では、必ず調べておく事柄ですもんね。生安ではあんまり経験しないんで、、うっかりしてました。
被疑者がはっきりしているという いわば錯覚ですかね?..それが、あった上に 係長が急かすもんだから...はは。。気合入れなおして、先入観を払拭して捜査しなおします」
「お願いね」
「先入観を払拭して..」と言った手前、桜木は 当然聞くべき質問をしそこなった。
---沢泉は、だれが真犯人だと思っているのか?---
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