第四章

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桜木は、すぐに何かを感じ取ったらしい。  ふたりは、世田谷署御用達の個室のある料理屋へ入った。 個室で注文をすませ、一息つく間もなく、桜木が 「沢泉管理官からの情報ですか?」 と、口を開いた。 「あら、どうして?」 「捜一の本部、沢泉さんが担当管理官なんでしょう? まあ 後は なんとなく?」 どうやら、ゆかりと沢泉の関係について 情報が回っているらしい。 「それなら 話が早いわ」 ゆかりは、早速 沢泉の疑問を伝えた。 「それらがはっきりするまでは、決して逮捕してはならない..と言ってたわ」 「なるほど..経済環境と保険か。さすが専門家ですね。確かに殺人事件では、必ず調べておく事柄ですもんね。生安ではあんまり経験しないんで、、うっかりしてました。 被疑者がはっきりしているという いわば錯覚ですかね?..それが、あった上に 係長が()かすもんだから...はは。。気合入れなおして、先入観を払拭(ふっしょく)して捜査しなおします」 「お願いね」 「先入観を払拭して..」と言った手前、桜木は 当然聞くべき質問をしそこなった。 ---沢泉は、だれが真犯人だと思っているのか?---     
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