第一章

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「あ、いえ、こっちのことで、、あのそれで先生、続きを」 「ふん、まあいい。昨日世田谷で...」 「そこは聞きました」 「ちゃちゃを入れるな。世田谷で..」 黙ることにした。 「妻の連れ子を殺したとして、男が確保されとるじゃろう」 「え?...子供を..ですか?...虐待か何かで?」 「なんだ、知らないのか?」 「世田谷っていうから、てっきり..」 「てっきり なんだ?」 「コンビニ強盗の件かと..」 「コンビニ強盗?そんなの新聞には載っとらんぞ。うん?お、今テレビでやっておる」 コンビニ強盗は、本日未明..つまり深夜から明け方にかけてのことだったことを思い出した。 (新聞には出てないよな、確かに) 「おぬし、こんなちんけな事件の管理官なのか?」 「先生、それは違います。事件に大小も優先順位もありません。それに、これは強盗殺人未遂なんです。逃げた被疑者を一刻も早く確保することが、我々警察の使命です」 「ふん、えらそうなことを言いおって。まあ いい。それよりも、先の世田谷の子供殺しじゃ」 (いや、だから..今言ったこと 先生聞いてない?) そう思いながらも沢泉は、机上の端末を操作して当該事件の検索をしていた。 (あった、これか。生安か...) ちらりとゆかりの顔が浮かんだ。     
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