第六章

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少し考えて 蓮見は話した。 「確か、こっちから女房に『あなたが110番した方ですか?』と尋ねたんだ。そしたら、女房が『はい、私です。子供が主人に殺されました』と言ったんだ。そうだよ、だから中岡が犯人だと確信したんだ」 「そのとき、中岡は?」 「うん?..うん、奴は..呆然としたままだったが...いや、ちょっと待てよ。女房が『主人に~』って言ったとき ちょっと『え』みたいな顔して女房を見たな。うん、俺は確かに見た。ちょっと 変だなと思ったんだ。わかっていても 自分の女房の口から 人殺しです と言われれば、そんな反応もありかな、って一人で合点してたんだがな」  捜査員は、話を聞くときには 本人だけではなく、周囲の人たちの様子も伺っている。特に 知能犯を専門に扱う捜査二課の刑事なら 一瞬の顔色の変化も見逃さないだろう。  蓮見に聞きたいことは全て聞くことができた。  桜木たちは、蓮見に礼を言い。官舎を後にした。  署に戻る車中、青池が聞いてきた。 「班長は、妻の亜希が犯人ではないかと考えているのですか?」 「いや、まだわからない。君は、蓮見係長の話を聞いてどう思った?」     
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