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彼女は不安げに見つめていた。
今日は一つだけ心に決めていることがあった。
自分から言い出すことだけはやめよう、と。
彼を信じて、彼の言葉を待ってみよう、と。
考えたくはないが、最悪のことだってありえる。
やってきてほしくなかった現実を目の当たりにしなければならないかもしれないのだ。
最悪は今日が最後になるかもしれないのだ。
これほど空気が「重い」と感じたことはなかった。
これほど息をするのが「苦しい」と感じるのも初めてだった。
それでもじっと、じっとその時を待っていた。
真正面に座る男の、一字一句も聞き逃すまいと・・・・・・。
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