3 成長したのでBL解禁ですっ!

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 驚いて顔を上げれば、ディオンはなぜかボクを見ていた。  優しい表情。彼にもこんな甘く優しい顔ができるなんてびっくりだ。  翠の瞳を和ませて、ディオンは真っ直ぐにボクを見ている。 「……ディオン?」  思わず声をかけると、ふと我に返ったように直立し、また頬を染めて視線を逸らしてしまう。  そんな……別にいいのに。  あれでしょ? 触るのは苦手だけど遠くから見てる分には、っていう。 「本当は、好きなんだね…………?」  隠れ猫好きか。  ま、このイカツい青年将校が猫相手にデレてたらイメージ狂うし、仕方ないよね。 「っ! あ、ぁ…………そうだな……っ。  好きだ……っ!!」  だからそんな必死に焦点をずらさなくても。そしてそんな力いっぱい言わなくとも。  猫を見たいのに見れないらしいディオンは、視線の先をズラし、やけに真剣にボクの顔を凝視している。  ふふ、ふふふふ……。  いつも四角四面に真面目な従兄が挙動不審に陥っている様子に、ボクは思わず破顔した。 「っ!!」  真っ赤になっちゃって。  ホント、ディオンにもこんな可愛い面があったんだね……。  なんか、親近感、湧いちゃうな。 「ボクも好きだよ。一緒だね」 「はぅっ!!」  …………?  今、なんか変な音がしたような?  まさか、ね。  まさか………… 「ディオン? 大丈夫!?」  突然、左胸をかきむしってうずくまる姿に、ボクは仰天して駆け寄った。
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