3 成長したのでBL解禁ですっ!

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「撫でて欲しいの……? そうか……。ごめん、ちょっと待っててね?」  指先を舐め続けるケットシーに声をかけ、ボクは再びディオンと向き合った。  こうしてみると、線の細い美少年に馬乗りになる偉丈夫……って、なかなかに扇情的なような……。  ……でもま、欲は欲でも食欲だもんね?  はぁ。やっぱり、モンスターにとっては「美人=生け贄」なのかな。自分達だって大概美男美女のくせにさ。 「ごめんね。……ディオン、続きをしようか」  その瞬間の彼の顔をなんと形容すればいいのか、ボクにはわからなかった。  だって、あんなに複雑な表情、見たことない。たぶん、ボクにはできない表情(かお)だ。 「………………ディオン?」  陰影の濃い、男らしく整った顔が歪んでいる。 「…………すまない……」  ようやく呟かれた声は小さくて歯切れが悪く、やっぱりディオンらしくない。  ボクは叢に横たわったまま、小首を傾げて彼を仰ぎ見た。  ちょうどボクの太もものあたりに、ディオンのぬくもりを感じる。体を起こし跨がる彼は、重いはずなのに……うまく体重を逃がしてくれているのだろう。今はもう、ほど良い圧迫感がある程度だ。  ケットシーの子猫は、相変わらずボクの手にまとわりついている。  にゃんこ、かわゆす。  こんな状況なのに和んじゃうよ……困ったな。
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