3 成長したのでBL解禁ですっ!

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 親族といえど、当主と言葉を交わせる者は限られている。いくら将軍の子息とはいえ、成人前のディオンが侯爵の私室に招かれるなど、異例のことだ。  一族のトップたる侯爵との誓い。  そして、異例の扱いを受けるに足りる自分への自負。  それが彼を支えている。 「………………その……ケットシーだが……学園側に管理登録の確認をしてくる。飼い主が判明するまで、預かっていてくれないか?」  ボクと目を合わせようとしないディオン。  ……仕方ないか。 「いいよ。じゃあ、先に戻ってるから」 「あぁ。スビトにもそう伝えておいてくれ」 「……ディオン、案内してくれてありがとう」 「…………あぁ」  素早く踵を返して立ち去ろうとしたところに声をかければ、やはり振り向かないで硬質な頷きを残した。  悔しかったんだろうな……。あのディオンが、一瞬とはいえ、本能に負けたんだもん。  悔しいよね……。 「おいで。ボクの部屋に行こう?」  みゃーーーーん  小さな声で鳴いて飛び込んできた小さなぬくもり。それを腕に感じながら、ボクは裏口から生活棟に入った。  モンスターだって……ぬくもりは欲しいんだよ……。  王立学園は、簡単に言えば全寮制の小中高一貫校だ。  たった3年で、基礎的な礼儀作法から支配階級として必要な知識まで、みっちりと詰め込まれる。  全寮制なのは、悪いモノが中に入り込まないように。それは、低級の魔物だったり、国家転覆を企む勇者だったりする。  そう、この世界のどこか遠くには、人間も住んでいるらしい。会ったことないし、別に興味もないけど。
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