3 成長したのでBL解禁ですっ!

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「そろそろ眠たいでしょ? いいよ、お休み。  …………何? あぁ……大丈夫、ここにいるから」  確かに言葉を理解しているのかもしれない。  ふかふかのクッションにコロリと横になった子猫は「くわぁっ」と大きなあくびを漏らした。それから、切なげに鳴いて……背中をゆっくりと撫でてやると、心地良さそうにまぶたを閉じた。  まだほんの小さなケットシーだ。まだ親と一緒にいてもおかしくないくらい幼く見える。  この仔はよく頑張った。一人で、見知らぬ場所で。  優しく背中を撫でながら、徐々にリズミカルに深くなっていく寝息を感じる。  ボクはヴァンパイアだから。この薄暮の世界、カーテンの閉ざされた暗い部屋の中でも夜目が効く。  手のひらに感じるぬくもりだけではなくて。穏やかに眠る子猫のあどけなさに、口元が自然、ほころんだ。  無条件に湧き上がる愛しさに胸があたたまるのは、いつ以来だろう。  小さな命を、この手で守りたいと思ったのは……。  ウトウトと、子猫と一緒にまどろむ。  なんとも表現しがたい幸せ。  ふわぁぁ。  ボクは、この世界に来てから初めて、満たされた想いで眠りについた。
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