鳴り響く電話

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鳴り響く電話

知らない部屋で目を覚ました。 部屋の隅には黒い電話があり、 ベルが鳴り響いている。 そのあまりにも煩いボリュームに 僕は苛々して電話を叩いてしまった。 当たりどころが良かったのか悪かったのか、 電話は鳴り止んだ。 衝撃で落下した受話器がだらんと吊り下がっている。床につきそうでつかない様子がもどかしい。 すると、何やら受話器から 微かな声が漏れているではないか。 電話は切れていなかったのだ。 他に誰も出る人がいなかったので、 仕方なく僕は受話器を耳に当てる。
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