198人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
ここで倉木がようやく口を挟み、
「会長から美月との契約は解約すると連絡がありました」
倉木自身少しためらいながら、認可取消に伴う即時解約通知を理事長に手渡した
逸香の祖父はその書類を手に頭を抱える
「なんてことだ、、、。
逸香、お前は自分が何をしたのか、わかっているのか？」
「はい」
逸香は男が全ての条件を満たしてきたことを得て、蔑むように頬を緩めた
ルーンヌィの認可取り消し、
その理由を逸香の脅迫による美月の降板とすることと、美月君と会長のパテル契約破棄
どれも逸香君にとっては利益の無い条件を動画削除と引き換えに掲げてきた事に、会長は終始怪訝な表情を崩さなかったが、特に理由を聞くこともなく全てを呑んだのだ
倉木はルーンヌィのクリエンテラからクリエンテラへの脅迫が認可取消という余りにも大きな代償となった事に、
「逸香、今回に限っては事の真相を話すべきです。
我がルーンヌィの、、、いえ、レッスン生達の受ける損失は計り知れないのですから」
納得できる何かを僅かにも期待して言った
「このルーンヌィは、、、」
逸香が責める視線を送ったのは倉木ではなく、理事長である祖父の方だった
「今やパテルから金銭を得て、クリエンテラを売り渡す娼館と変わりません」
責める視線は学長にも及んだ
「聖ルシアンも同じです。
アーシャという存在は、グランデやアッパークラスの息子達が優越感や支配欲を増幅させる為だけにある腐った伝統です」
最初のコメントを投稿しよう！