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そして倉木へは嘲笑と共に、
「あなたは知らないでしょう、あの男のクリエンテラとなった美月が大会出場や舞台登板と引き換えに何をされたか」
「黙りなさいっ」
叩くような理事長の言葉は逸香に口を噤ませ、
「会長の名誉を毀損することは許さん」
その勢いは倉木にも向かった
「倉木、君は何故ここまで逸香を野放しにした?」
「申し訳ありません、、、私には全く知り得なかった事でした」
「認可取消の理由が、ルーンヌィバレエスクール理事長の孫の恐喝などとは、、、次の国際コンクールの予選など通るはずもない」
「僕は構いません、とうに国際コンクールに出場する意欲を失ってますから」
逸香にとっては全てが覚悟の上だった
「何を言うのです、逸香!
せっかく国内コンクールで一位入賞を果たしたのに、、、こんなことで国際コンクールへの出場を阻まれるなんて」
「あなたにとっても、もうどうでもいい事でしょう?」
逸香は改めて倉木への嘲笑に同情すら浮かべて言った
「悠人があんなことになったのだから」
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