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額を離せば、仰ぐように見上げた逸香に、
「、、、逸香が嫌がって拒むことはしない。
だからどこへも行かないでくれ」
「涼はまだ錯覚の中にいるだけだ」
「覚めてるよ、とっくに」
「恋愛でもないだろ?」
「逸香がどうあろうと、僕にあるのは間違いなく愛だと言える」
穏やかな風が逸香の前髪を揺らし、冷ややかな瞳が窓辺に視線を留めた
しばらくしてから、
「確かに、、、涼がいないとつまらないな。
それに、、、不便で困る」
逸香の呟きを逃さず強く抱きしめ、
「何でもする。
逸香の側にいられるなら何でも」
遠野は言葉以上に愛を伝える為、逸香の唇に丁寧に体温を馴染ませ、心の迷いを残し彷徨う両手を取って繋いだ
圧迫と緩和を繰り返すキスを繰り返す中、閉ざされたものがゆっくりと開くように逸香の薄い唇が応じた
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