運命の分かれ目

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運命の分かれ目

 私が自分の運命の分かれ目に"もしもあの時"と考えるなら、まずフェアルス姫達とのあの出会いが最初に浮かぶ。  もちろん他にも、両親の死やスキルドとの出会いなど、大きな分かれ目は沢山存在している。  けれど、他のそれらは何らかの偶然の重なりこそあれど、少なからず人の意志が生み出したものであったと思う。  だが、あのお姫様達との出会いは、まったくの偶然であったはずだ。  街道を歩いていた私達と砦に向かう彼女達に、接触の意志はない。  結果的にあの出会いは、兄の復讐のきっかけとなった。  もしあの出会いがなければ、兄はどうしていただろうか? 私はどうなっていただろうか?  それでも兄は、復讐に向けて最終的には1人で行動を起こしたかもしれないが、私の運命は大きく変わってしまっただろうと思う。  あの出会いから、約2週間が経過。  私達はベスフル城にいた。  兄は、ベスフル城奪還の英雄として入城したのである。  そう"奪還"である。  ベスフル本城は、一度は陥落していたのだ。  ベスフル城の陥落と、国王の処刑。その事実を私達が知ったのは、姫を護衛して砦についた時だった。  泣き崩れる姫と、動揺する砦の兵士達。     
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