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高校行く気あるの?
2学期の終業式の帰り、僕は先生に呼び止められた
「小野、香山はどうしてる?」
聞いてきたのは、康司のクラスの担任の北川だ
「さぁ、一緒のクラスになった事もないし、あんまり話した事も無いからわかんないっすね」
「そうか、もし香山に会ったら三学期から学校に来いと伝えてくれ」
「はーい」
そう言って僕は校門を出た
北川は何度か康司のウチに来たらしいが、居留守を使ったり会ってもさっさと追い返したりして、まともに話をしてなかったらしい
(アイツ卒業出来ないって言ってたからな。てことはもう一年中学生やるのか)
出席日数が足りず、このままだと落第になるみたいだ
とは言え、康司本人が学校に行きたがらないから誰が言ってもムダだろう
イジメられてる様子はないが、事ある毎に先生に反発していたから、学校に来てもまた先生とケンカして次の日から来なくなるのは目に見えてる
それにウチに居れば、彼女と一緒に居られるから学校に来るよりも部屋で彼女とイチャついてた方が良いのだろう
実際、康司は暇さえあればサユリとセックスばかりしていた
こっちはまだ彼女すら居ない身だから、僕はヤツラがセックスの最中にわざと邪魔しに行ったり、嫌がらせをよくした
登校拒否の分際で生意気だ!
あんなバカに何で彼女が出来たんだ?
こっちは来年になれば受験を控えて勉強しなきゃならないのに、アイツは学校に来ないでセックス三昧の日々だ
そう考えると無性に腹が立ってきた
この時期、僕は康司にかなりキツくあたっていた様な気がする
康司は人懐っこい顔して、僕達が来るのを歓迎していたが、僕自身はコイツのウチに行くのは単なる暇潰しで、卒業して高校に上がる頃にはコイツとの付き合いも無くなるだろうと思っていた
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