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白い首元に顔を埋める。
ふわりと甘い柑橘系の香りが鼻腔を擽る。
宏実さんの愛用する香水の香りだ。
大好きなこの匂いを刻み込むように、胸いっぱいに吸い込む。
「莉那?……あっ」
首筋をぺろりと舐めると、宏実さんは息を飲んだ。
私の服を握る手に力が籠るのが分かって、ふっと笑みが零れる。
「宏実さんが可愛すぎて……心臓のドキドキが収まらないです。今日は、優しく出来ないかも」
「んっ」
耳元でそう囁けば、宏実さんはビクリと肩を竦めた。
いつもは丁寧に解してから、少しずつ事を進めるけれど、そんな余裕は無いような気がする。
そんな私を抱き締めるように、首に腕が回され引き寄せられた。
耳元に熱い吐息がかかって背筋がゾクリとする。
「……莉那の好きにしていいよ?今は私がプレゼントになるね」
まったく、この人は。
そんな可愛い事を言われたら、我慢なんて出来るわけない。
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