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丘の上にひらけた大学キャンパス。 その真ん中で、同じ道を反対方向に行く二人の男子学生がすれ違おうとしていた。 二人は互いにまったくの見ず知らずだったが、彼我のあいだを縮めていきながらチラリと一瞥し合う。日常的なよくある光景。 一方の学生が何気なく一瞥した相手の顔を、なぜかあらためてしげしげと眺め直した。そして突然ぴたりと立ち止まった。 「……おい、お前ってもしかして……アレか? アレじゃないのか? ワルダマンじゃないのか? あのワルダマンだよな? な? おれにはすぐ分かったぞ。お前絶対ワルダマンだろ。なあ、おい! 正直に答えろよ!」 いきなりそう問い詰められた方の学生は、気味悪そうに眉をひそめて相手を眺め、そのまま黙って行き過ぎようとした。こりゃとにかく関わっちゃいけない。敬して遠ざけるべし、と思ったのだ。 大学にはいかにも真面目そうな顔をしていても、中身がヘンな奴だってうろついてるんだ。つかこいつ、目付きが三角になってるじゃないか……。     
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