第3話 エルフの少女

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音は無く、たまに吹く風による木々のざわめきが辺りを支配する。 ナナシ「不気味だな~……それに寒い…」 元の世界では夏だったため、俺はTシャツにジャージという格好でこの異世界に来ていた。 あの高原では丁度よかったのだが、この森の冷気は肌に堪える。 ナナシ「しかし何もいないぞ…」 まだ20分ほど歩いただけだが、木や草、土以外には何も見ていない。 何かに使う用途があるのか、一応人が通る土道が整備されている。 ナナシ「もっと奥まで行ってみるか…」 そう思った瞬間、背後から頭に何か衝撃を受ける。 ナナシ「!?」 振り返るとそこには熊がいた。 正確に言うとそれは熊のような謎の生物、体格や毛並みは熊なのだが尻尾があり、その尻尾は蛇のような別の生物だった。 熊の方は約3メートル、蛇の方は全長5メートルはあるかという巨大生物。 しかも顔の半分は頭蓋が飛び出ており、痛々しい姿をしている。 ナナシ「な…なんだこれ…」 どうやらその熊のような生物に後ろから殴られたようだった。 …が、何か柔らかいボールをぶつけられたような感触しかなく当然のように無傷だった。 ナナシ「何度も言うけどなんて便利な力だ」 パラメーターを上げていなければもう死んでいただろう。     
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