禍の花

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 それに耐えながら、ククロウは目の前に佇む白闇の王の姿を見上げる。 「…………」  無言のまま、こちらを見下ろす王。  ローブ越しに僅かに見えたのは、深い黄金(きん)色を宿した(まなこ)――。 「いづれ……」  掌が翳(かざ)され、何事かの言葉が紡がれる。 「……ッ」  王の言葉の最後を聞き取る余裕もなく――ククロウの意識はゆっくりと深闇(しんあん)の底へと沈んでいった。
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