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友達のいる世界
「人は一人じゃ生きられない」
まぁ当たり前の言葉だけど
この言葉ほどあの時の僕にあった言葉はないと思う。
僕は「寂しい」と思った、
ここで生まれたのが君たち人間だよ。
そして僕は、全人間の男に謝らなくてはならない、
多分ここで男と女の上下関係が決まった、
「本当にごめんなさい」
そう言わせてほしい。
僕が作った初めての人間は女の子だった、
目がぱっちりしていて唇はぷるんと、
肌も色白でとても可愛かった。
「名前をつけてあげるね、そうだな~寂しいっていうのはどう?」
その言葉に対しての彼女の対応はこうである、
「寂しい?なにその名前もっといい名前つけなさいよ、ていうかあんた、さっきからなにジロジロみてんのよ」
そう言った彼女の手は見事に僕の頬にクリーンヒットしていた。
ここで生まれてしまった感情が、怖いと痛いである。
僕はこの二つの感情にさいなまれながら
生まれて初めての涙を流した、
これが地球の7割を覆い尽くす水の誕生である。
ちなみに地球の面積の陸より海が多い理由はなにを隠そう彼女である。
ずっと泣きやまずに泣いていると彼女が近づいてきて、
「わかったわよ私が悪かった、だから泣きやんで」
「じゃもう痛いしない怖いもしない?」
「わかったしないしない」
僕は泣き笑いした顔で彼女をみた。
「でも寂しいは嫌よ」彼女はまた僕を泣かした。
結局彼女の名前は彼女自身が考えることになった。
「私の名前はリリス・ファースト・イブでにする、だからあなたは、イブかリリスって呼んで」
「じゃあ僕はイブって呼ぶね」
少し沈黙が続いた後、イブは少し怒った顔で
「私が名のったら次はあなたの番でしょ」
その頃の僕にはまだ名前がなかったから返事は決まっている
「ないよ」
するとイブは鬼の形相になって
「はー、あんた人にあんな変な名前つけようとしたくせに自分の名前はないなんてふざけないでよ!」
そしてまた僕は泣いた
「またイブが怖いした~」
呆れた顔をしたイブは怒った顔で
「じゃあんたの名前は今からソウル・ファースト・アダムで私はアダムって呼ぶから」
そう言ってくれたイブの怒った顔を見て僕はなぜか笑顔になった。
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