ドルフィンライダーの方程式

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その時だった。 ガツン、というショックが伝わる。 「!?」 何かがぶつかった、という感じじゃない。むしろ、何かにいきなり引っ張られたような…… まさか……? 俺は、マリリンを映していたカメラを一気にズームアップする。 フックには、命綱が付いたままだった。しかもそれは、ぴんと一直線に伸びている。 ということは……! その先に、マリリンがいる、ということだ! そうか…… あいつは、命綱を外したわけじゃない。リールのロックを外して飛び出したんだ。そして、命綱が最大長まで伸びて止まった反動が、さっきのショックだったんだ。 俺は嬉しくなった。さすがは未来の博士さまだ。ちゃんと考えているじゃないか! 「おい!マリリン!応答しろ!命綱をリワインド(巻き取り)するんだ!おい!」 だが、応答はない。考えてみれば、あいつの酸素ももうそろそろ切れる時間だ。気絶しているのかも。今助ければ、まだ十分間に合う。 俺はベルトを外し、重力下でも使えるヘヴィデューティータイプの命綱を持って、ハッチを開けて外に出る。無重力状態ではないので移動には慎重を期した。船底まで行きつくと、俺は自分の体をリールにしてマリリンの命綱を手繰り寄せる。     
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