第2章 デイビー、16歳

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「母さん、また休暇には帰るよ! 手紙書くから!」  そう言って、手を振ると自作のバイクに乗って、走り始めた。  分数は苦手だけど、機械全般には強い。  理由は分からないけど、こうやったら直るというのが何となく分かるんだ。  だからいろんなものの修理を頼まれる。  バイクで走りながら俺はぼんやりと考えた。  大学まではずいぶんとかかりそうだ。  時間には余裕を持って出て来たけれど、西海岸からじゃやっぱり遠いかな。  俺の家から大学まで数千キロ。  無謀にもほどがあるかなと思いながら、風を切って進んだ。  潮風の香りとか、パームツリーの立ち並ぶ道とか、陽気で明るくて大好きな西海岸。  しばらくお別れになるから、旅も兼ねて大学まで行こうと思った。
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