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満月が雲の切れ間から姿を見せる。
これは月の魔力が見せた一夜限りの夢。
月夜の晩に海辺に来るのは、伝説があるからだ。
満月の夜は月の魔力でこの世ならざる者が海からやってくると言う。
「ルーシェン?」
「そうだよ」
「俺を迎えに来てくれたのか?」
「それはできないの。僕はノアに会いに来ただけ」
切なく微笑んで、ルーシェンはノアにそっと口づけた。
同時にぱあっと強い光があふれて、ノアは目を開けていられなくなった。
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