誓い

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「行ってきます」 朝の何気無い挨拶をドア越しに気怠げに言い放ち、部屋を出る1人の男子学生、つまり俺。 今日から高校生か…なんて歓喜に浸るとは程遠いテンションで歩きながら思う、むしろこれからの期待というより面倒臭さが上回っていた。 (中学までの俺ならもっと普通にワクワクしていたんだろうな…) 「はぁ」 1つ溜息をついて気を落ち着かせる、考えたってしょうがないし何が変わるわけでもない。 (クラス分けはもう張り出されてるはずだよな…?入学式が9時からで今日は12時には帰れる…と) 時刻は7時を過ぎたばかり、まだ通学する学生も少ない時間帯に1人歩きながら今日の予定を確認する。 中学からエスカレーター式で入学した(はなぶさ)学園、今日から3年間通う事になる高校だ。 部屋を出て約10分、英高校の校門が見えてきた。 (俺はもう変わったんだ…中学の時の俺とはサヨナラだ) そう決意を固め、俺「中嶋悠馬」は英高校の校門をくぐって行った
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