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『 リン 』
静まり返った部屋に幻の声がこだましている。
私は布団に足を入れたまま体だけを起こしていた。
上半身が冷えて身震いしながら布団の上に広げてあったカーディガンを引き寄せて羽織った。
そして、健吾くんからのメッセージを何度も読み返す。
その文章は当時の彼の口調をそのまま表していた。
健吾くんは私の敬語交じりのメッセージをどう感じただろう。
それでも彼は私に昔と同じように言葉を掛けてくれた。
嬉しかった。
本当に。
私はそのままメッセージを作成した。
文章をつくって、
少しだけ戻って削除して、
ほんの少し言いまわしを変えて、
ドキドキしながら完成させた。
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