再会

20/31
前へ
/31ページ
次へ
口を開こうと思うが、 なかなか上手くいかない。 その時、由奈がようやくほうじ茶に口をつけた。 「ああーおいし」 「ぬるいお茶なんておいしくないよ」 「私にはこれくらいがちょうどいいの。ぬるーい感じが。鈴はよくあんなの飲めるよね」 「うん……」 ……あの時もそうだった。 健吾くんに初めてメッセージを送るとき。 いつも 話をはぐらかそうとした私に由奈の視線と言葉が追ってくる。 誰かにメッセージをもらうばかりで、 自分から発信するとなった時にはすごく勇気がいった。 あの時と……同じ。 私は口を開いた。 由奈に、親友に……聞いて欲しい。 ただ少し、由奈の反応が怖いけれど。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

240人が本棚に入れています
本棚に追加