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「ねえ、桜井健吾くんて、覚えてる?」
「サクライ……ケンゴ? あ、高校の? 鈴のこと……だったあの人?」
「……うん」
「あの人が……どうかしたの?」
「最近……連絡がとれたの。もう6、7年ぶりに。……ね、お昼は節約でチャーハンでいい?」
私はそう言って立ち上がった。
やっぱり由奈の反応が怖かった。
私はキッチンで手を動かしながら連絡が取れたいきさつを由奈に話した。
背中からは由奈の適当な相槌が返ってくる。
そして、その適当な返事が核心に触れる。
「……で、もしかして、連絡が取れたくらいで昔の何かが蘇ってきて、何かが始まっちゃったの?」
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