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お昼を食べて一息ついた後、
由奈の車で買い物に出掛けた。
電車にしなかったのは寒さに負けたのと、
帰りの荷物の多さを容易に想像できたことと、
部屋を出る間際に始まった由奈の愚痴が納まりそうになかったからだった。
玄関を出て駐車場まで中断された由奈の仕事と彼氏の愚痴は、
車に乗り込んだ瞬間から再開された。
「ねえ、今日、由奈が私と過ごしてくれてるのって……もしかして、彼とケンカしたからじゃないよね?」
由奈の話を聞くうちに私は焦った。
「そういうわけじゃないよ。ケンカなんてしょっちゅうだし」
「それならいいけど……」
……いいというわけではないけれど。
安心していいのかどうなのかよくわからない。
「鈴とのクリスマス、単純にいいなって思ったの。女なんてさ、結婚したら家庭持って、友達同士でクリスマスなんて、もう一緒に過ごせないじゃない?」
「まあ……そうだね」
「だからさ、今日は二人で思いっきり楽しもう!」
由奈が急に明るくなるので、「うん!楽しも!」と、私もそれに乗った。
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